第一 趣旨 |
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ダイオキシン類対策特別措置法施行令(平成一一年政令第四三三号)別表第一第五号に掲げる廃棄物焼却炉を有する廃棄物の焼却施設
(以下「廃棄物の焼却施設」という。)における焼却炉等の運転、点検等作業及び解体作業に従事する労働者の
ダイオキシン類へのばく露を未然に防止することが重要であることから、厚生労働省では、平成一三年四月に労働安全衛生規則の
一部を改正し、廃棄物の焼却施設におけるダイオキシン類へのばく露防止措置を規定したところである。
本対策要綱は、改正後の労働安全衛生規則に規定された事項を踏まえ、事業者が講ずべき基本的な措置を示し、
労働者のダイオキシン類へのばく露防止の徹底を図ることを目的とするものである。 |
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第二 対象作業 |
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1 作業の分類 |
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本対策要綱における「ダイオキシン類」とは、ポリ塩化ジベンゾフラン、ポリ塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシン及びコプラナーPCBをいい、
対象となる作業は、廃棄物の焼却施設において行われる次の(1)及び(2)の作業(以下「運転、点検等作業」という。)並びに(3)の作業(以下
「解体作業」という。)であり、これらを合わせて廃棄物焼却施設内作業ということ。 |
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- (1) 廃棄物の焼却施設におけるばいじん及び焼却灰その他の燃え殻の取扱いの業務に係る作業
具体的には、
- ア 焼却炉、集じん機等の内部で行う灰出しの作業
- イ 焼却炉、集じん機等の内部で行う設備の保守点検等の作業の前に行う清掃等の作業
- ウ 焼却炉、集じん機等の外部で行う焼却灰の運搬、飛灰(ばいじん等)の固化等焼却灰、飛灰等を取り扱う作業
- エ 焼却炉、集じん機等の外部で行う清掃等の作業
- オ 焼却炉、集じん機等の外部で行う前記ア及びイの作業の支援及び監視等の作業
- (2) 廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の保守点検等の業務に係る作業
具体的には、
- ア 焼却炉、集じん機等の内部で行う設備の保守点検等の作業
- イ 焼却炉、集じん機等の外部で行う焼却炉、集じん機その他の装置の運転、保守点検等の作業
- ウ 焼却炉、集じん機等の外部で行う(2)のアの作業の支援、監視等の作業
ただし、保守点検等に伴い、ばいじん及び焼却灰その他の燃え殻等を取り扱う場合は、前記(1)の作業に該当すること。
- (3) 廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及びこれに伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻の取扱いの業務に係る作業
具体的には、
- ア 廃棄物焼却炉、集じん機、煙道設備、排煙冷却設備、洗煙設備、排水処理設備及び廃熱ボイラー等の設備の解体又は破壊の作業
- イ 前記アに係る設備の大規模な撤去を伴う補修・改造の作業
- ウ 前記ア及びイの作業に伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取り扱う作業
ただし、耐火煉瓦の取替え等、定期的に行う点検補修作業で大規模な撤去を伴わない作業については、前記(2)の作業に該当すること。 なお、本対策要綱の適用対象は、事業場に設置されたダイオキシン類対策特別措置法施行令(平成一一年政令第四三三号)別表第一第五号に掲げる廃棄物焼却炉(火床面積が〇・五平方メートル以上又は焼却能力が一時間当たり五〇キログラム以上のものに限る。)を有する廃棄物の焼却施設において行われる作業であるが、本対策要綱の適用対象より小規模の焼却施設において行われる作業についても、本対策要綱に準じばく露防止対策を講ずることが望ましいものであること。
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2 遠隔操作等で行う作業及びばく露の少ない廃棄物焼却炉における作業の適用関係 |
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- (1) 遠隔操作等で行う作業
本対策要綱は、①ガラス等により隔離された場所において遠隔操作で行う作業、②密閉系で灰等をベルトコンベア等で運搬するのを監視する作業等、焼却灰及び飛灰に労働者がばく露することのない作業については、適用されないものであること。
- (2) ばく露の少ない焼却炉における作業
本対策要綱は、運転、点検等作業について、左記のアからエに掲げる条件を全て満たす焼却炉における作業については、ダイオキシン類にばく露することが少ないため、本対策要綱のうち法令に定める事項である第三の1の(1)、(2)、(3)及び(6)のイ、並びに第三の2の(2)のアに定める事項に限り適用することとする。なお、これ以外の事項については、必要に応じて適用すること。
- ア ダイオキシン類特別措置法(平成一一年法律第一〇五号)第二八条に定めるばいじん及び焼却灰その他の燃え殻のダイオキシン類の測定結果が三〇〇〇(pg―TEQ/g―dry)より低いこと。
- イ 第三の2の(2)のア及びウの空気中のダイオキシン類濃度の測定結果から別紙2により決定する管理区域が、第一管理区域であること。
- ウ 屋外に設置された焼却炉であること。
- エ 単一種類の物を焼却する専用の焼却炉であること。
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第三 ばく露防止対策 |
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1 運転、点検等作業及び解体作業において共通して講ずべき措置 |
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- (1) 特別教育
運転、点検等作業又は解体作業を行う事業者(以下「対象作業を行う事業者」という。)は、労働者に労働安全衛生規則第五九二条の七及び特別教育規程に定めるところにより、特別教育を行うこと。
- (2) 作業指揮者の選任
対象作業を行う事業者は、労働安全衛生規則第五九二条の六に定めるところにより、化学物質についての知識を有する者等の中から作業指揮者を選任し、作業を指揮させるとともに、作業に従事する労働者の保護具の着用状況及びダイオキシン類を含む物の発散源の湿潤化の確認を行わせること。 なお、コンクリート造の工作物の解体作業等においては、併せてコンクリート造の工作物の解体等作業主任者を選任する必要があること。
- (3) 発散源の湿潤化
対象作業を行う事業者(第二の(1)の(2)の作業のみを行う事業者を除く。)は、労働安全衛生規則第五九二条の四に定めるところにより、作業場におけるダイオキシン類を含む物の発散源を湿潤な状態のものとしなければならないこと。ただし、当該発散源を湿潤な状態のものとすることが著しく困難なときは、この限りではないこと。
- (4) 健康管理
対象作業を行う事業者は、労働者に対し、労働安全衛生法に基づく一般健康診断を確実に実施するとともに、ダイオキシン類へのばく露による健康不安を訴える労働者に対して、産業医等の意見を踏まえ、必要があると認める場合に、就業上の措置等を適切に行うこと。 また、事故、保護具の破損等により当該労働者がダイオキシン類に著しく汚染され、又はこれを多量に吸入したおそれのある場合は、速やかに当該労働者に医師による診察又は処置を受けさせること。なお、この場合には、必要に応じて、当該労働者の血中ダイオキシン類濃度測定を行い、その結果を記録して三〇年間保存しておくこと。
- (5) 就業上の配慮
対象作業を行う事業者は、女性労働者については、母性保護の観点から、廃棄物焼却施設における運転、点検等作業及び解体作業における就業上の配慮を行うこと。
- (6) 保護具
対象作業を行う事業者は、次の措置を講ずること。
- ア 保護具の管理
- (ア) 保護具の着用状況の管理
- a 労働者に対する呼吸用保護具の着脱訓練の実施労働者に対して、呼吸用保護具のフィットテストの方法、緊急時の対処方法及び呼吸用保護具の正しい着脱方法・着脱手順等について訓練を行うことにより習得させること。
- b 作業開始前における保護具の着用状況の確認
労働者に保護具の着用状況の確認を相互に行わせること。
- (イ) 作業後における保護具の取外し等
作業を行った後の保護具は汚染されているおそれがあることから、以下の措置を講ずること。
- a 作業場と更衣場所の間に、保護具の汚染及び焼却灰等を除去するためのエアシャワー等の汚染物除去設備を設けること。
- b 保護具の着脱は、アの(イ)のaの汚染物除去設備が存在する場所ではなく更衣場所において行うこと。また、保護具は更衣場所から汚染された状態で持ち出させないこと。
- (ウ) 保護具は日常の保守点検を適切に行うこと。
- (エ) ダイオキシン類で汚染されたおそれのある保護具は、使い捨てが指定されているもの及び手入れの方法が別に定められている呼吸用保護具のろ過材及び吸収缶を除き、清水、温水、中性洗剤及びヘキサン等により洗浄すること。
- (オ) ダイオキシン類で表面が汚染されたおそれのある治具・工具及び重機等の機材は、使い捨てが指定されているものを除き、清水、温水、中性洗剤及びヘキサン等により洗浄すること。
- (カ) ヘキサン等により洗浄する場合は、溶解したダイオキシン類によるばく露防止措置を講ずること。
- (キ) プレッシャデマンド形エアラインマスクには、ダイオキシン類、一酸化炭素等の有害物質、オイルミスト及び粉じん等を含まない清浄な空気を供給すること。
- イ 保護具の選定
労働安全衛生規則第五九二条の五に定めるところにより別紙3に示す保護具について、運転、点検等作業については別紙4に掲げる方法で、解体作業については別紙5に掲げる方法で選択し労働者に使用させること。 ただし、高所作業又は臨時の作業においては左記のとおりとすること。
- (ア) 高所作業における特例
レベル三の保護具を使用する作業場における高所作業で、エアラインのホースが作業の妨げとなる場合又はエアラインのホースの当該場所までの延長が困難な場合は、当該作業場所近傍に十分な能力を有するエアラインの接続箇所を設置するとともに、各接続箇所間の移動においては、プレッシャデマンド形エアラインマスクでエアラインを外した時、防じん防毒併用呼吸用保護具となるものを使用させること。 なお、エアラインの接続箇所の設置が困難である場合には、プレッシャデマンド形空気呼吸器を使用させること。 また、墜落防止のため、安全な作業床を設けること。なお、安全な作業床を設けることが困難である場合には、安全帯を使用する等墜落防止措置を講ずること。
- (イ) 臨時の作業における特例
レベル三の保護具を使用する作業場において足場の設置・解体作業等臨時の作業を行う場合であって、エアラインマスクを使用することが困難な場合には、次のaからcに掲げる措置を講じた上で、防じん防毒併用タイプ呼吸用保護具を使用して作業を行わせても差し支えないものであること。ただし、作業前に測定した空気中のダイオキシン類濃度について、第三の2の(2)のウの管理区域の決定方法によって行った管理区域(解体作業にあってはこれを準用した管理区域)が第三管理区域となるときは、プレッシャデマンド型空気呼吸器を使用させること。
- a 作業前に床面の清掃を行うこと。
- b デジタル粉じん計等により、作業を行っている間に連続して空気中の粉じん濃度の測定を実施すること。
- c 作業を行っている間、粉じん及びガス状のダイオキシン類を発散させるおそれのある作業を中断すること。
- (7) 休憩室使用の留意事項
対象作業を行う事業者は、労働者の作業衣等に付着した焼却灰等により、休憩室が汚染されない措置を講ずること。
- (8) 喫煙等の禁止
対象作業を行う事業者は、作業が行われる作業場では、労働者が喫煙し、又は飲食することを禁止すること。
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2 運転、点検等作業において講ずべき措置 |
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- (1) 安全衛生管理体制の確立
- ア 廃棄物の焼却施設を管理する事業者の実施事項
廃棄物の焼却施設を管理する事業者は、次の措置を講ずること。
- (ア) ダイオキシン類対策委員会
産業医、衛生管理者、(イ)の対策責任者等で構成する「ダイオキシン類対策委員会」を設置し、本対策要綱に定める措置等を盛り込んだ「ダイオキシン類へのばく露防止推進計画」(以下「推進計画」という。)を策定すること。
- (イ) 対策責任者の選任
労働者のダイオキシン類へのばく露防止対策を講じるに当たり、本対策要綱に定める措置を適切に行うため、ダイオキシン類対策の対策責任者を定め、次の職務を行わせること。
- a ダイオキシン類対策委員会の運営及び推進計画の委託先事業者、関係請負人等への周知
- b (ウ)の協議組織の運営
- c その他推進計画の実施に関する事項
- (ウ) 委託先事業者、関係請負人等との協議組織
廃棄物の焼却施設における作業の全部又は一部を他に委託し、又は請負人に請け負わせている場合には、全ての関係事業者が参加する協議組織を設置し、当該作業を行う労働者のダイオキシン類へのばく露防止を図るため推進計画に基づく具体的な推進方法等を協議すること。
- イ 受託事業者又は関係請負人の実施に関する事項
運転、点検等作業の全部又は一部を受託し、又は請け負っている事業者は、ダイオキシン類対策の実施責任者を定め、推進計画を踏まえた対策を実施させること。
- (2) 空気中のダイオキシン類濃度の測定
運転、点検等作業を行う事業者は、次の措置を講ずること。なお、廃棄物の焼却施設を管理する事業者が、既に測定を行っている場合については、この結果を用いて差し支えないこと。
- ア 空気中のダイオキシン類の測定
運転、点検等作業が常時行われる作業場について、労働安全衛生規則第五九二条の二に定めるところにより、別紙1の方法により、空気中のダイオキシン類濃度の測定を行うこと。
- イ 測定結果の保存
測定者、測定場所を示す図面、測定日時、天候、温度・湿度等測定条件、測定機器、測定方法、ダイオキシン類濃度等を記録し、三〇年間保存すること。
- ウ 管理区域の決定
作業環境評価基準(昭和六十三年労働省告示第七十九号)に準じて、別紙2の方法により管理区域を決定すること。 なお、ダイオキシン類の管理すべき濃度基準は、二・五pg―TEQ/m3とすること。
- エ 焼却灰等の粉じん、ガス状ダイオキシン類の発散防止対策
ウの結果、第二管理区域又は第三管理区域となった作業場において、次に掲げる方法等により、焼却灰等の粉じん及びガス状ダイオキシン類の発散を防止する対策を行うこと。
- (ア) 燃焼工程、作業工程の改善
- (イ) 発生源の密閉化
- (ウ) 作業の自動化や遠隔操作方法の導入
- (エ) 局所排気装置及び除じん装置の設置
- (オ) 作業場の湿潤化
なお、以上の測定についてのダイオキシン類分析は、国が行う精度管理指針等に基づき、適切に精度管理が行われている機関において実施するとともに、その結果については、関係労働者に周知すること。
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3 解体作業において講ずべき措置 |
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- (1) 対象施設の情報提供
解体作業を行う場合、廃棄物の焼却施設を管理する事業者は、解体作業を請け負った元方事業者等に、解体対象施設の図面及び六月以内に測定した対象施設の空気中のダイオキシン類濃度の測定結果がある場合にはこれを解体作業前に提供すること。
- (2) 安全管理体制の確立
解体作業を請け負った元方事業者は、次の措置を講ずること。
- ア 統括安全衛生管理体制
労働安全衛生法第一五条等に定めるところにより、その労働者及び請負人の労働者の人数に応じ、統括安全衛生責任者又は元方安全衛生管理者等を選任する等、統括安全衛生管理体制の確立を図ること。
- イ 関係請負人との協議組織等
労働安全衛生法第三〇条に定めるところにより、全ての関係請負人が参加する協議組織を設置し、混在作業による危険の防止に関して協議すること。また、関係請負人に対し安全衛生上必要な指導等を行うこと。
- (3) 空気中のダイオキシン類の測定及びサンプリング
解体作業を行う事業者は、次の措置を講ずること。
- ア 空気中のダイオキシン類の測定
解体作業が行われる作業場について、別紙1の方法により、空気中のダイオキシン類濃度の測定を単位作業場所ごとに一箇所以上、解体作業開始前、解体作業中に少なくとも各一回以上行うこと。なお、解体作業前の測定については、廃棄物の焼却施設を管理する事業者が、解体作業開始前六月以内に測定を行っている場合については、この結果を用いて差し支えないこと。
- イ 解体対象設備の汚染物のサンプリング調査
労働安全衛生規則第五九二条の二に定めるところにより、汚染物のサンプリング調査を事前に実施すること。
- (ア) 汚染物のサンプリング調査時のばく露防止対策
汚染物のサンプリング調査作業を行うに当たっては、別紙3に示すレベル三の保護具を着用して作業を行うこと。
- (イ) サンプリング調査の対象設備及び対象物
サンプリング調査対象設備及び対象物は、次のとおりとすること。
- a 焼却炉本体 炉内焼却灰及び炉壁付着物
- b 廃熱ボイラー 缶外付着物
- c 煙突 煙突下部付着物
- d 煙道 煙道内付着物
- e 除じん装置 装置内堆積物及び装置内壁面等付着物
- f 排煙冷却設備 設備内付着物
- g 排水処理設備 設備内付着物
- h その他の設備 付着物
なお、サンプリング対象物におけるダイオキシン類含有量が同程度であることが客観的に明らかである場合は、必ずしも全ての対象についてサンプリングする必要はない。例えば、①除じん装置の汚染物においてダイオキシン類含有量が三〇〇〇pg―TEQ/g以下の濃度である場合の焼却炉本体、廃熱ボイラー、煙突及び煙道におけるサンプリングの省略(廃棄物焼却施設運転中のダイオキシン類の測定結果等により、除じん装置の汚染物における含有量が最も高いことが明らかである場合に限る。)、②煙突と煙道が一体となっている場合の一方の設備におけるサンプリングの省略、③小規模施設で設備ごとの区分ができない場合のサンプリングの一括化等がある。
- (ウ) 追加的サンプリング調査の実施
汚染物のサンプリング調査の結果、三〇〇〇pg―TEQ/gを超えるダイオキシン類が検出された場合には、その周囲の箇所(少なくとも一点以上)における汚染状況の追加調査を行うこと。
- (エ) サンプリング調査の記録及び記録の保存
サンプリング調査に当たっては、日時(年月日及び時間)、実施者名、サンプリング調査時の温度、湿度、サンプリング調査方法(方法及び使用した工具等)及びサンプリング調査箇所を示す写真・図面等の項目について記録し、その記録を三〇年間保存すること。 なお、以上の測定、サンプリングについてのダイオキシン類分析は、国が行う精度管理指針等に基づき、適切に精度管理が行われている機関において実施するとともに、その結果については、関係労働者に周知すること。
- (4) 解体作業の計画の届出
労働安全衛生法第八八条及び労働安全衛生規則第九〇条第五号の三に定めるところにより、廃棄物焼却炉(火格子面積が二m2以上又は焼却能力が一時間当たり二〇〇kg以上のものに限る。)を有する廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の仕事を行う事業者は、工事開始の日の一四日前までに次の書類を添付して所轄労働基準監督署長に対し、計画の届出を行うこと。
- ア 仕事を行う場所の周囲の状況及び四隣との関係を示す図面
- イ 解体等をしようとする廃棄物焼却施設等の概要を示す図面
具体的には、 解体作業を行う廃棄物焼却施設、建設物の概要を示す図面(平面図、立面図、焼却炉本体、煙道設備、除じん設備、排煙冷却設備、洗煙設備、排水処理設備、廃熱ボイラー等の概要を示すもの。)
- ウ 工事用の機械、設備、建設物等の配置を示す図面
- エ 工法の概要を示す書面又は図面
- オ 労働災害を防止するための方法及び設備の概要を示す書面又は図面
具体的には、
- (ア) ダイオキシン類ばく露を防止するための方法及び設備の概要を示す書面又は図面(除去処理工法、作業の概要、除去後の汚染物管理計画、使用する保護具及びその保護具の区分を決定した根拠等)
- (イ) 統括安全衛生管理体制を示す書面
- (ウ) 特別教育等の労働衛生教育の実施計画
- (エ) 解体作業対象施設における事前の空気中ダイオキシン類濃度測定結果
- (オ) 解体作業対象施設における事前の汚染物のサンプリング調査結果
- (カ) 解体作業中の空気中ダイオキシン類濃度測定計画
- カ 工程表
なお、これらの書類に記載された内容に大幅な変更が生じるときにはその内容を速やかに所轄労働基準監督署長あて報告すること。
- (5) 解体方法の選択
解体作業を行う事業者は、①作業前に測定した空気中のダイオキシン類濃度測定結果、②解体対象設備の汚染物のサンプリング調査結果、③付着物除去記録等を用いて別紙6の方法により、解体方法の決定を行うこと。
- (6) 付着物除去作業の実施
事業者は、労働安全衛生規則第五九二条の三に基づき、解体作業実施前に設備の内部に付着したダイオキシン類を含む物の除去を十分に実施すること。 当該付着物除去作業の際には、
- ア 作業場所を仮設構造物(壁等)又はビニールシートにより他の作業場所と隔離すること。
- イ 高濃度の場合には、可能な限り遠隔操作により作業を行うこと。
- ウ 煙道等狭隘な場所においては、高圧水洗浄等により付着物除去を行う等、適切な措置を講ずること。
なお、付着物除去結果の確認のため、付着物除去前後の写真撮影を入念に行い、その結果を保存すること。
- (7) 作業場所の分離・養生
事業者は、ダイオキシン類による汚染の拡散を防止するため、管理区域ごとに仮設の壁等による分離、あるいはビニールシート等による作業場所の養生を行うこと。
- (8) 周辺環境への対応
事業者は、解体作業によって生じる排気、排水及び解体廃棄物による周辺環境への影響を防止するため、次の措置を講ずること。
- ア 排気処理
ダイオキシン類に汚染された空気及び粉じん等をチャコールフィルター等により適切な処理を行った上で、排出基準に従い、大気中に排出すること。
- イ 排水処理
解体作業により生じるダイオキシン類により汚染された排水は、関係法令で定める排出水の基準(一〇pg―TEQ/l)を満たすことが可能な凝集沈殿法等の処理施設で処理した後、外部に排水すること。
- ウ 解体廃棄物の処理
汚染除去された又は除去する必要のない解体廃棄物については、廃棄物処理法に沿って、一般廃棄物、産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物ごとに、廃棄物の種類に応じて分別して排出し、処分すること。 粉じん等汚染物及びダイオキシン類汚染解体廃棄物についても、廃棄物処理法に沿って、一般廃棄物、特別管理一般廃棄物、産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物ごとに、廃棄物の種類に応じて分別して排出し、処分すること。 分別作業に際してはサンプリングのダイオキシン類分析結果等を参考にして、それぞれの汚染状況に応じて関係法令に基づき処理又は処理されるまでの間一時保管を行うこと。また、高濃度汚染物の詰替え作業を行う場合は作業を行う場所を保護具選定に係る第三管理区域とすること。
- エ その他廃棄物の処理
付着物除去作業及び解体作業によって生じた汚染物は、飛散防止措置を講じたうえで密閉容器に密封し、関係法令に基づき処理されるまでの間、作業の妨げとならない場所に隔離・保管すること。
- オ 周辺環境等の調査
すべての解体作業終了後、当該施設と施設外の境界部分において環境調査を行うこと。
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空気中のダイオキシン類濃度の測定方法 |
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作業環境における空気中のダイオキシン類の濃度測定は、作業環境測定基準(昭和五一年労働省告示第四六号)に準じた次の
方法により行うこと。 |
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- 1 測定の頻度
運転、点検等作業について、六か月以内ごとに一回、定期に実施すること。また、施設・設備、作業工程又は作業方法について大幅な変更を行った場合は、改めて測定を行うこと。
- 2 測定の時間帯
焼却炉、集じん機及びその他の装置の運転等の作業が定常の状態にある時間帯に行うこと。 なお、作業場が屋外の場合には、雨天、強風等の悪天候時は避けること。
- 3 測定の位置
- (1) 作業場が屋内の場合
次により、測定を行うこと。
- ア A測定に準じた測定を行うこと。また、その測定点は、単位作業場所(当該作業場の区域のうち労働者の作業中の行動範囲、有害物の分布等の状況等に基づき定められる測定のために必要な区域をいう。以下同じ。)の床面上に六メートル以下の等間隔で引いた縦の線と横の線との交点の床上五〇センチメートル以上一五〇センチメートル以下の位置(設備等があって測定が著しく困難な位置を除く。)とすること。さらに、測定点の数は、単位作業場所について五以上とすること。
- イ 粉じんの発散源に近接する場所において作業が行われる単位作業場所にあっては、アに定める測定のほか、当該作業が行われる時間のうち粉じんの濃度が最も高くなると思われる時間に、当該作業の行われる位置においてB測定に準じた測定を行うこと。
- (2) 作業場が屋外の場合
粉じんの発散源に近接する場所ごとに、B測定に準じた測定を行うこと。
- 4 空気中のダイオキシン類及び総粉じんの濃度測定
- (1) 粉じん、ガス状物質及び微細粒子のダイオキシン類濃度を測定する場合
空気中のダイオキシン類の濃度測定に際してはハイボリウムサンプラーに粉じん捕集ろ紙とウレタンフォームが直列に装着できるウレタンホルダをセットした上で測定を行うこと。 また、測定結果の分析の際にはろ紙上の粉じんとウレタンフォームに捕集されたガス状物質及び微細粒子を合計し、ガス状物質及び微細粒子合計のダイオキシン類を分析すること。 なお、以下アからウの場合には、ガス状物質及び微細粒子を別々に分析し、それぞれのダイオキシン類を算出すること。
- ア 廃棄物焼却施設の解体作業前に測定するダイオキシン類の測定
- イ 高温作業場所のような適切な保護具等の選定が不可欠である場合のダイオキシン類の測定
- ウ 運転、点検等作業において保護具を選定する場合のダイオキシン類の測定
なお、ガス状のダイオキシン類濃度を正しく把握するため、サンプリング時間は、四時間以上(ガス状物質と粉じんの合量としてダイオキシン類濃度を測定する際は、二時間以上)となるようにすること。
- (2) 空気中の総粉じんの濃度測定方法
- ア ろ過捕集方法及び重量分析方法による場合
試料の採取方法は、ローボリウムサンプラーを用いて、オープンフェイス型ホルダにろ過材としてグラスファイバーろ紙を装着し、吸引量は、毎分二〇~三〇リットルとすること。なお、粉じんの測定に関するA測定及びB測定のサンプリング時間は各測定点につき一〇分間以上とすること。
- イ デジタル粉じん計を用いる方法
空気中の総粉じん濃度の測定については、デジタル粉じん計を用いて差し支えないこと。なお、粉じんの測定に関するA測定及びB測定のサンプリング時間は、各測定点につき一〇分間以上とすること。
- 5 併行測定について
- (1) 単位作業場所(作業が屋外の場合には、粉じん発生源に近接する場所)の一以上の測定点において併行測定を行うこと。
- (2) 併行測定点での空気中の総粉じんの濃度測定は、(3)のサンプリング時間と同じ時間併行して行うこと。
- (3) 併行測定点での空気中のダイオキシン類の濃度測定は、ろ過捕集方法及びガスクロマトグラフ質量分析方法又はこれと同等以上の性能を有する分析方法によること。また、試料の採取方法は、フィルター、ウレタンフォーム及びハイボリウムサンプラーを用いて、毎分五〇〇~一〇〇〇リットルの吸引量とすること。
- 6 ダイオキシン類の毒性等量の算出方法
ダイオキシン類の毒性等量は、各異性体の濃度に毒性等価係数(ダイオキシン類対策特別措置法施行規則第三条別表第三)を乗じて算出し、それらを合計して算出する。このとき定量下限値、検出下限値との関係においては次のとおり取り扱うこと。
- (1) 定量下限値以上の値と定量下限値未満で検出下限値以上の値は、そのまま使用すること。
- (2) 検出下限値未満のものは、検出下限値の二分の一の値を用いること。
- 7 D値の算出及びD値を用いたダイオキシン類濃度の推定
日常におけるダイオキシン類濃度の推定は、粉じんに吸着しているダイオキシン類の含有率を算出し、空気中の総粉じんの濃度にその含有率を乗じてダイオキシン類の濃度を推定するため、次によりD値を求め、その値を二回目以降の測定に使用してもよい。ただし、作業場の施設、設備、作業工程又は作業方法について大幅な変更を行った場合は、改めて併行測定を行いD値を再度求めること。
- (1) D値の算出について
4の(1)及び(2)の方法で測定した「空気中の総粉じんの濃度」及び「空気中のダイオキシン類の濃度」を用いて次の式からD値を求めること。 D値=空気中のダイオキシン類の濃度(pg―TEQ/m3)/空気中の総粉じんの濃度(mg/m3)又は(cpm) (ただし、屋内の場合 温度25℃ 1気圧 屋外の場合 温度20℃ 1気圧) 空気中のダイオキシン類濃度(pg―TEQ/m3)=ろ紙上の粉じん中のダイオキシン類濃度(pg―TEQ/m3)+ウレタンフォームに捕集されたガス状物質及び微細粒子中のダイオキシン類濃度(pg―TEQ/m3)
- (2) D値を用いた空気中のダイオキシン類濃度の推定
各測定点の空気中のダイオキシン類濃度は、D値を用いて次式により空気中の総粉じん濃度を用いて評価することができること。 空気中のダイオキシン類濃度(pg―TEQ/m3)=D値×空気中の総粉じん濃度(mg/m3)又は(cpm)
- (3) ダイオキシン類濃度が低いと思われる焼却炉の特例
以下アからウの条件で満たす焼却炉は、別途示す通知に基づき、4の(2)のア又はイの方法を用いて、一回目から空気中の総粉じん濃度を測定し、当該通知に示される標準的なD値をもとにダイオキシン類濃度を測定しても差し支えないこと。
- ア ダイオキシン類特別措置法第二八条に定めるばいじん及び焼却灰その他の燃え殻のダイオキシン類の測定結果が三〇〇〇(pg/TEQ/g―dry)より低いこと。
- イ 屋外に設置された焼却炉であること。
- ウ 単一種類の物を焼却する専用の焼却炉であること。
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作業環境評価基準に準じた管理区域の決定方法 |
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- 1 作業場が屋内の場合
空気中のダイオキシン類濃度測定の結果を評価し、単位作業場所を第一管理区域から第三管理区域までに区分すること。なお、第一評価値及び第二評価値とは、作業環境評価基準第三条に準じて計算した評価値をいうものであること。
- (1) 第一管理区域
第一評価値及びB測定に準じた測定の測定値(二以上の測定点においてB測定に準じた測定を実施した場合には、そのうちの最大値。1の(2)及び(3)において同じ。)が管理すべき濃度基準に満たない場合
- (2) 第二管理区域
第二評価値が管理すべき濃度基準以下であり、かつ、B測定に準じた測定の測定値が管理すべき濃度基準の一・五倍以下である場合(第一管理区域に該当する場合を除く。)
- (3) 第三管理区域
第二評価値が管理すべき濃度基準を超える場合又はB測定に準じた測定の測定値が管理すべき濃度基準の一・五倍を超える場合
- 2 作業場が屋外の場合
空気中のダイオキシン類濃度測定の結果を評価し、作業場所を粉じん発生源に近接する場所ごとに第一管理区域から第三管理区域に区分することにより行うこと。
- (1) 第一管理区域
測定値が管理すべき濃度基準に満たない場合
- (2) 第二管理区域
測定値が管理すべき濃度基準以上であり、かつ、管理すべき濃度基準の一・五倍以下である場合
- (3) 第三管理区域
測定値が管理すべき濃度基準の一・五倍を超える場合
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保護具の区分 |
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- 1 レベル一
- 呼吸用保護具 防じんマスク
- 作業着等 粉じんの付着しにくい作業着、保護手袋等
- 安全靴
- 保護帽(ヘルメット)
保護衣、保護靴、安全帯、耐熱服、溶接用保護メガネ等は作業内容に応じて適宜使用すること。 なお、防じんマスクは、①型式検定合格品であり、②取替え式であり、かつ③粉じん捕集効率の高いものを使用すること。
- 2 レベル二
- 呼吸用保護具 防じん防毒併用タイプ呼吸用保護具(防じんマスク及び防毒マスクの両方の型式検定に合格しているものをいう。)又は防じん機能を有する防毒マスク
- 保護衣 密閉形防護服(JIST八一一五)(耐水性のもの)なお、耐水性のものとは、通常作業で耐水圧一〇〇〇mm以上を目安とし、直接水に濡れる作業については、耐水圧二〇〇〇mm以上を目安とすること。以下同様。
- 保護手袋 化学防護手袋(JIST八一一六)
- 安全靴または保護靴
- 作業着等 長袖作業着(又は長袖下着)、長ズボン、ソックス、手袋等(これらの作業着等は、綿製が望ましい。)
- 保護帽(ヘルメット)
保護靴、安全帯、耐熱服、溶接用保護メガネ等は作業内容に応じて適宜使用すること。 なお、防じん防毒併用タイプ呼吸用保護具及び防じん機能を有する防毒マスクは、①型式検定合格品であり、②取替え式であり、③粉じん捕集効率の高いものであり、かつ④有機ガス用のものを使用すること。
- 3 レベル三
- 呼吸用保護具 プレッシャデマンド形エアラインマスク(JIST八一五三)又はプレッシャデマンド形空気呼吸器(JIST八一五五)(面体は全面形面体)
- 保護衣 密閉形防護服(JIST八一一五)(耐水性のもの。)
- 保護手袋 化学防護手袋(JIST八一一六)
- 保護靴 化学防護長靴(JIST八一一七)
- 作業着等 長袖作業着(又は長袖下着)、長ズボン、ソックス、手袋等(これらの作業着等は、綿製が望ましい。)
- 保護帽(ヘルメット)
安全帯、耐熱服、溶接用保護メガネ等は作業内容に応じて適宜使用すること。
- 4 レベル四
- 保護衣 送気式気密服、自給式呼吸用保護具内装形気密服、自給式呼吸用保護具外装形気密服及び自給式呼吸用保護具併用形密閉服(JIST八一一五)(気密服、密閉服は耐水性のものに限る。また、自給式呼吸用保護具併用形密閉服の場合、自給式呼吸用保護具はプレッシャデマンド形空気呼吸器に限る。)
- 保護手袋 化学防護手袋(JIST八一一六)
- 保護靴 化学防護長靴(JIST八一一七)
- 作業着等 長袖作業着(又は長袖下着)、長ズボン、ソックス、手袋等(これらの作業着等は、綿製が望ましい。)
- 保護帽(ヘルメット)
安全帯、耐熱服、溶接用保護メガネ等は作業内容に応じて適宜使用すること。
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解体方法の決定 |
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- 1 解体作業第一管理区域内での解体作業
- (1) 解体作業第一管理区域
次のいずれかを満たす場合は解体作業第一管理区域とする。
- ア 汚染物サンプリング調査の結果d<3000(pg―TEQ/g―dry)(連続して粉じん濃度測定を行う場合、S<2.5(pg―TEQ/m3))の場合
- イ 汚染物サンプリング調査の結果d<4500(pg―TEQ/g―dry)(連続して粉じん濃度測定を行う場合、S<3.75(pg―TEQ/m3))で、構造物の材料見本(使用前のもの)等と比べ客観的に付着物除去がほぼ完全に行われている場合
- (2) 解体作業第一管理区域で選択できる解体方法及び使用機材
- ア 手作業による解体:手持ち電動工具等
- イ 油圧式圧砕、せん断による工法:圧砕機、鉄骨切断機等
- ウ 機械的研削による工法:カッタ、ワイヤソー、コアドリル
- エ 機械的衝撃による工法:ハンドブレーカ、削孔機、大型ブレーカ等
- オ 膨張圧力、孔の拡大による工法:静的破砕剤、油圧孔拡大機
- カ その他の工法:ウォータジェット、アブレッシブジェット、冷却して解体する工法等その他粉じんやガス体を飛散させないための新しい工法
- キ 溶断による工法:ガス切断機等
なお、溶断による工法を選択する際には、4に示す措置を講じること。(ただし、金属部材(汚染物の完全な除去が可能な形状のものに限る。)であって、汚染物の完全な除去を行ったものについては、4の(5)の措置に代えて同一管理区域内の労働者にレベル一の保護具(呼吸用保護具はレベル二)を使用させることができること。)
- 2 解体作業第二管理区域内での解体作業
- (1) 解体作業第二管理区域
次のいずれかを満たす場合を解体作業第二管理区域とする。
- ア 汚染物サンプリング調査の結果3000(pg―TEQ/g―dry)≦d<4500(pg―TEQ/g―dry)(連続して粉じん濃度測定を行う場合は、2.5(pg―TEQ/m3)≦S<3.75(pg―TEQ/m3))の場合
- イ 汚染状況の把握は困難であるものの、周囲の設備の汚染状況から見てダイオキシン類で汚染されている可能性が低い径の小さいパイプ等
- (2) 解体作業第二管理区域で選択できる解体方法
1の(2)のアからカに掲げる方法
- 3 解体作業第三管理区域内での解体作業
- (1) 解体作業第三管理区域
- ア 次のいずれかを満たす場合を解体作業第三管理区域とする。
汚染物サンプリング調査結果4500(pg―TEQ/g―dry)≦d(連続して粉じん濃度測定を行う場合、3.75(pg―TEQ/m3)≦S)で、付着物除去を完全に行うことが困難な場合
- イ ダイオキシン類による汚染の状態が測定困難又は不明な場合
- ウ 汚染状況の把握は困難であり、周囲の設備の汚染状況から見てダイオキシン類で汚染されている可能性があるパイプ等構造物
- (2) 解体作業第三管理区域で選択できる解体方法及び使用機材
1の(2)のア及びイ。なお、解体物の構造上汚染除去がそれ以上実施できない場合であって、遠隔操作、密閉化、冷却化又は粉じんの飛散やガス状物質を発生させないその他の解体方法を選択する場合は、その解体方法を用いても差し支えない。
- 4 解体作業第二管理区域及び解体作業第三管理区域で溶断によらない解体方法が著しく困難な場合の特例
事前サンプリングの結果、対象設備が解体作業第二管理区域又は解体作業第三管理区域に分類された場合で、溶断によらない解体方法が著しく困難な場合は、以下に掲げる必要な措置を講じたうえで溶断による解体を行うこと。 なお、パイプ類及び煙道設備等筒状の構造物等を溶断する場合は内部の空気を吸引・減圧した状態で、外部から作業を行うこと。
- (1) 溶断対象箇所及びその周辺で伝熱等により加熱が予想される部分に汚染がないことを確認すること(この場合解体部分の汚染状況を写真等により記録すること。)
- (2) 溶断作業を行う作業場所をシート等により養生し、養生された内部の空気が外部に漏れないように密閉・区分すること。また、溶断作業中、当該作業を行う労働者以外の立ち入りを禁止する措置を講じること。
- (3) 作業場所の内部を、移動型局所排気装置を用いて換気するとともに外部に対して負圧に保つこと。
- (4) 移動型局所排気装置の排気をHEPAフィルター及びチャコールフィルターにより適切に処理すること。
- (5) 溶断作業を行っている間、同一管理区域内の労働者にレベル三の保護具を使用させること。
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